ウルティ
概要
ウルティ(Ulti)はハンガリーで最も人気のあるトランプゲームの1つで、ハンガリーの国民的ゲームとも呼ばれています。3人専用のトリックテイキングゲームで、32枚のデッキを使用します。名前の由来となっている「ウルティモ」(最終トリックを切り札の7で取る宣言)が最大の特徴です。
ゲームの構造はスカートやタロッコに似ていますが、ウルティモ宣言や多彩な追加宣言システムにより独自の深い戦略性を持っています。
基本ルール
使用カード
32枚デッキ(各スートの7以上)を使用します。ハンガリーではジャーマンスート(ハート、鈴、葉、どんぐり)のウィリアム・テルカードが伝統的ですが、フレンチスート(ハート、ダイヤ、スペード、クラブ)でも遊べます。
カードの強さと得点
カードの強さ(高い順):A > 10 > K > Q(上手) > J(下手) > 9 > 8 > 7
カードポイント:
- A:11点
- 10:10点
- K:4点
- Q(上手):3点
- J(下手):2点
- 9、8、7:0点
全カードの合計は120点です。
配り方
ディーラーは各プレイヤーに10枚ずつ配り、残り2枚をテーブル中央に伏せます(タロン)。配り方は伝統的に5-タロン-5の順です。
ビッド(宣言)
基本の宣言
ディーラーの左隣(フォアハンド)から宣言を行います。基本的な宣言は以下の通りです。
- パス:宣言しない
- プレイ:切り札を指定し、61点以上の獲得を目指す
- ベテリ(40-100):切り札スートのKとQのペアを持っている場合に宣言可能(追加ボーナス)
ウルティモ宣言
ウルティの核心となる宣言です。最終(10番目)のトリックを切り札の7で取ることを宣言します。
- ウルティモ:切り札の7で最終トリックを勝つ
- ウルティモを宣言すると、得失点が大きく変動する
ウルティモは他の宣言と組み合わせることができます。例えば「ハートでプレイ、ウルティモ」と宣言すれば、ハートを切り札にして61点以上を取りつつ、最終トリックをハートの7で勝つことを目指します。
追加宣言
基本宣言に加えて、以下を追加で宣言できます。
- シュナイダー:相手チームを30点以下に抑える
- シュヴァルツ:相手チームに1トリックも取らせない
- ベテリ(20):切り札以外のスートのKとQのペア
- ダブルウルティモ:最後の2トリックを共に切り札で取る
各追加宣言は得点を倍加させます。
ゲームの流れ
- ディーラーが各プレイヤーに10枚とタロン2枚を配る
- 宣言フェーズを行い、デクレアラーを決定する
- デクレアラーがタロンを取り、2枚を捨てる
- フォアハンドが最初のリードを行う
- マストフォローかつマストトランプ(重要)でトリックを進行
- 10トリック終了後、得点を計算する
タロンの処理
デクレアラーはタロンの2枚を手札に加え、不要な2枚を裏向きで捨てます。捨てたカードのポイントはデクレアラーの取得分に含まれます。ただし、Aと10は捨てることができません。
マストフォローとマストトランプ
ウルティでは通常のマストフォローに加え、マストトランプのルールが適用されます。
- リードスートを持っていれば、必ずフォローする
- リードスートを持っていない場合、切り札を持っていれば必ず切り札を出す
- リードスートも切り札も持っていない場合のみ、任意のカードを出せる
さらに、トリックに勝てるカードがあれば勝てるカードを出す義務がある場合もあります(ヘッドルール)。
スコア計算
基本得点
デクレアラーが61点以上取れば勝利、60点以下なら敗北です。
基本的なゲーム得点:
- プレイ(勝利):1ゲームポイント
- プレイ(敗北):-1ゲームポイント
- シュナイダー(宣言なしで達成):追加1ポイント
- シュヴァルツ(宣言なしで達成):追加2ポイント
ウルティモの得点
- ウルティモ宣言成功:4ゲームポイント
- ウルティモ宣言失敗:-4ゲームポイント
- 宣言なしでウルティモ達成:2ゲームポイント
宣言ありの場合
シュナイダーやシュヴァルツを宣言して成功した場合、得点は宣言なしの場合の2倍になります。宣言して失敗した場合は、その得点分を失います。
ベテリの得点
- 切り札のベテリ(40-100):宣言で1ポイント
- サイドスートのベテリ(20):宣言で1ポイント
ベテリを持っているが宣言しなかった場合、得点は得られません。
戦略・コツ
ウルティモの狙い方
切り札の7で最終トリックを取るには、相手が最終トリック時に切り札を持っていない状態を作る必要があります。序盤〜中盤で相手の切り札を引き出し、消耗させることが重要です。
手札に切り札が多い場合、序盤に高い切り札でリードして相手の切り札を枯らし、最終トリックで7を安全に通す戦略が基本です。
タロンの活用
タロンの2枚で手札を強化できます。弱いサイドスートを捨ててボイドを作り、切り札で刈り取れるトリックを増やすのが定石です。ただしAと10は捨てられないので注意しましょう。
ディフェンスの要点
ディフェンダー2人は協力してデクレアラーを阻止します。特にウルティモ宣言に対しては、最終トリックまで切り札を1枚残しておくことが重要です。切り札の8以上が1枚あれば、7によるウルティモを阻止できます。
宣言の判断
多くの宣言を重ねるほど成功時の得点は大きくなりますが、失敗のリスクも増大します。手札の強さを冷静に判断し、無理な宣言は避けましょう。
切り札が6枚以上あり、A、10を含む場合はウルティモを検討できます。切り札が4枚以下の場合は、プレイ宣言のみに留めるのが安全です。
バリエーション
リーベシュスカート(リバース)
デクレアラーがタロンを取らずにプレイする「ハンド」バリエーションです。タロンを見ないため情報が少なくリスクが高いですが、成功時の得点が倍になります。
パスゲーム(ラムシュ)
全員がパスした場合に行われる特殊ゲームです。切り札はなく、マストフォローのみ。各プレイヤーは取ったポイントをそのままマイナスとして記録します。最も多くのポイントを取ったプレイヤーが最大の罰点を受けます。
4人ウルティ
4人で遊ぶ場合、ディーラーは休み、残り3人でプレイします。ディーラーは次のラウンドで復帰します。
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