ゴニンカン
概要
ゴニンカン(五人関)は青森県五所川原市を中心に東北地方で広く遊ばれている、5人用のトリックテイキング系トランプゲームです。日本独自のトランプゲームとして長い歴史を持ち、地域の大会が開催されるほど根強い人気があります。
ナポレオンと同様に競りによってチームが決まる仕組みですが、ゴニンカン独自のルールとして「切り札の5が最強」「絵札の獲得枚数で勝敗を決める」などの特徴があります。チーム分けは毎回変わるため、プレイヤー間の駆け引きと読み合いが非常に深いゲームです。
使用するのはジョーカーを含む53枚のカードです。
基本ルール
使用カード
ジョーカー1枚を含む53枚を使用します。各プレイヤーに10枚ずつ配り、残り3枚は場に伏せて「きつね」と呼びます。
カードの強さ
切り札スートのカードの強さは以下の特殊な順です。
- 切り札の5(ゴニンカンにおける最強カード)
- ジョーカー
- 切り札のJ(正ジャック)
- 同色もう一方のスートのJ(裏ジャック)
- 切り札のA
- 切り札のK
- 切り札のQ
- 切り札の10〜2(5を除く、数字順に強い)
切り札以外のスートでは、通常の強さ順(A、K、Q、J、10、9、...、2)が適用されます。ただし裏ジャック(切り札と同色のもう一方のスートのJ)は常に切り札として扱われます。
絵札の数え方
勝敗は絵札(J、Q、K、A)とジョーカーの獲得枚数で決まります。全部で17枚あります(各スート4枚×4スート+ジョーカー1枚、ただし裏ジャックは切り札扱いのため計算上は17枚)。
チーム構成
競り(ビッド)に勝ったプレイヤーが「大将」となり、副官を1人指名します。大将と副官の2人チーム(攻撃側)対残り3人(守備側)で戦います。
ゲームの流れ
配札
- ディーラーが各プレイヤーに10枚ずつ配る
- 残り3枚を場の中央に伏せて置く(きつね)
競り(ビッド)
ディーラーの左隣から時計回りに競りを行います。
- 各プレイヤーは切り札にしたいスートと獲得目標の絵札枚数を宣言する
- 最低ビッドは「11枚」(地域によって異なる)
- 前の人より高い枚数を宣言するか、パスする
- 全員パスした場合は配り直し
- 最も高い枚数を宣言したプレイヤーが大将となる
きつねの取得と副官指名
- 大将はきつね(伏せられた3枚)を手札に加える
- 不要な3枚を伏せて捨てる(捨てた3枚の中の絵札は大将側の得点に含まれる)
- 切り札スートを確定させる
- 副官として指名するカードを宣言する(例:「ハートのA」)
- 指名されたカードを持つプレイヤーが副官となるが、正体は明かさない
トリックプレイ
- 大将が最初のリードを行う
- 時計回りに1枚ずつカードを出す
- リードされたスートと同じスートを持っていれば必ず出す(マストフォロー)
- フォローできない場合は任意のカードを出せる
- 各トリックの勝者は以下で決まる
- 切り札が出ている場合:最も強い切り札を出したプレイヤー
- 切り札がない場合:リードスートで最も強いカードを出したプレイヤー
- トリック勝者が次のリードを行う
- 10トリック全てを消化する
勝敗判定
全トリック終了後、大将チーム(大将+副官)が獲得した絵札の枚数を数えます。
- 宣言枚数以上の絵札を獲得していれば大将チームの勝利
- 宣言枚数未満であれば守備側の勝利
得点計算
複数ゲームを通して遊ぶ場合、以下のように得点をつけます。
- 大将チーム勝利:大将は+宣言枚数、副官は+宣言枚数の半分(端数切り上げ)
- 大将チーム敗北:大将は−宣言枚数、副官は−宣言枚数の半分
- 守備側は勝敗に関わらず±0(地域ルールにより変動あり)
戦略・コツ
競りの判断
手札に切り札の5やジョーカーがあれば積極的に競りに参加できます。特に切り札の5は最強カードであり、これを持っているだけで2〜3枚の絵札獲得が見込めます。
目安として、切り札候補のスートで5枚以上のカードがあり、かつ高札(5、J、A)が2枚以上あれば、11〜12枚程度のビッドが妥当です。
副官の選び方
副官には自分が持っていないスートの高いカード(特にA)を指名するのが基本です。これにより、そのスートでの攻撃力を補えます。
ただし、あえて自分が持っているカードを指名して「副官なし」の状態を作り、きつねに捨てたカードの絵札を確保する戦術もあります。
切り札の5の使いどころ
切り札の5は最強カードですが、使うタイミングが重要です。相手が高得点のトリックを取ろうとしている場面で投入し、複数の絵札を一度に回収するのが理想的です。
序盤で切り札の5を使ってしまうと、終盤に切り札での制圧力が下がるため注意が必要です。
守備側の戦略
守備側3人は協力して大将チームの目標達成を阻止します。副官が誰かを早めに見抜き、副官に絵札を取らせないようにプレイします。
副官の正体を推測するには、大将を助けるような不自然なプレイ(わざと負けるカードを出す、大将のトリックに絵札を乗せるなど)を観察しましょう。
バリエーション
3人用ゴニンカン
3人で遊ぶ場合は各プレイヤーに17枚ずつ配り、残り2枚をきつねとします。大将1人対守備2人の個人戦形式になり、副官はいません。
宣言なしルール
カジュアルに遊ぶ場合、競りを省略して切り札のみを決める簡略版があります。大将制度がなく、個人戦で最も多くの絵札を取ったプレイヤーが勝者となります。
五所川原ルール
五所川原の公式大会で採用されるルールでは、ビッドの最低枚数や得点配分に細かい規定があります。また、ジョーカーの扱い(リードされた場合にフォロー義務が発生するかどうか)についても独自の取り決めがあります。
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