ファイブハンドレッド
概要
ファイブハンドレッド(500)はオーストラリアで最も広く遊ばれているトランプゲームで、事実上の国民ゲームとも呼ばれています。1904年にアメリカのUnited States Playing Card Companyが発表したゲームで、ユーカーの発展形として設計されました。
3人プレイが基本ですが、2人や4人(2対2)でも遊べます。ここでは3人用のルールを中心に解説します。ビッド(宣言)によって切り札と目標トリック数を決め、500点を先に獲得したプレイヤーが勝利します。
基本ルール
使用カード
33枚を使用します。内訳は以下の通りです。
- ジョーカー:1枚
- スペード:A、K、Q、J、10、9、8、7(8枚)
- クラブ:A、K、Q、J、10、9、8、7(8枚)
- ハート:A、K、Q、J、10、9、8、7(8枚)
- ダイヤ:A、K、Q、J、10、9、8、7(8枚)
カードの強さ
切り札スートでは特殊な順位になります(ユーカー系の特徴)。
切り札スートの強さ(例:ハートが切り札の場合):
- ジョーカー(最強)
- ハートのJ(右バウアー)
- ダイヤのJ(左バウアー、同色のJ)
- ハートのA
- ハートのK
- ハートのQ
- ハートの10
- ハートの9
- ハートの8
- ハートの7
左バウアーは切り札スートに属するものとして扱われます。例えばハートが切り札の場合、ダイヤのJはハートのカードとして扱います。
切り札以外のスートでは通常の順位(A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7)です。ただし左バウアーが抜けたスートではJがありません。
配り方
ディーラーは各プレイヤーに10枚ずつ配り、残り3枚を裏向きでテーブル中央に置きます(キティ)。配り方は3枚-4枚-3枚の順が一般的です。
ビッド(競り)
ビッドの仕組み
ディーラーの左隣から時計回りにビッドを行います。ビッドは「トリック数」と「切り札スート」の組み合わせで宣言します。
ビッドの例:「7スペード」=スペードを切り札にして7トリック以上取る
ビッド一覧と得点
スートの強さ(低い順):スペード < クラブ < ダイヤ < ハート < ノートランプ
| トリック数 | スペード | クラブ | ダイヤ | ハート | ノートランプ |
|---|---|---|---|---|---|
| 6 | 40 | 60 | 80 | 100 | 120 |
| 7 | 140 | 160 | 180 | 200 | 220 |
| 8 | 240 | 260 | 280 | 300 | 320 |
| 9 | 340 | 360 | 380 | 400 | 420 |
| 10 | 440 | 460 | 480 | 500 | 520 |
より高い得点のビッドが前のビッドを上回ります。各プレイヤーは前のビッドより高いビッドをするか、パスするかを選びます。パスしたプレイヤーは以降のビッドに参加できません。
ミゼール
「ミゼール」(ノートリック宣言)も選択できます。ミゼールは1トリックも取らないことを目指す宣言で、得点値は250点相当です。ミゼールでは切り札はなく、キティの交換後に手札を全員に公開します。
ビッド不成立
全員がパスした場合、カードを集め直して次のディーラーが配り直します。
ゲームの流れ
- ディーラーが各10枚とキティ3枚を配る
- ビッドフェーズで最高ビッド者(デクレアラー)を決定
- デクレアラーがキティの3枚を手札に加え、不要な3枚を捨てる
- デクレアラーの左隣が最初のリードを行う
- マストフォローでトリックを進行する
- 10トリック終了後にスコアを計算する
キティの処理
デクレアラーはキティ3枚を取って手札に加え(13枚になる)、任意の3枚を裏向きで捨てます。捨てたカードはデクレアラーが取ったトリックに含めます。
トリックの進行
リードプレイヤーが1枚出し、時計回りに各プレイヤーが1枚出します。マストフォローが適用されます。ジョーカーは切り札スートの最強カードとして扱われ、切り札がリードされた際にフォローとして出す必要があります。
ノートランプの場合、ジョーカーはどのスートにも属さない最強のカードです。ジョーカーでリードする場合、プレイヤーはスートを指定します。
スコア計算
デクレアラーの得点
- ビッド達成:ビッド表の得点を獲得(余分に取ったトリックの追加点はなし)
- ビッド失敗:ビッド表の得点分を失う(マイナス)
- ミゼール成功:250点獲得
- ミゼール失敗:250点を失う
ディフェンダーの得点
デクレアラー以外の2人は、取ったトリック1つにつき10点を獲得します。
勝利条件
累計500点に先に到達したプレイヤーが勝利します。-500点に到達したプレイヤーは脱落(アウト)となります。複数のプレイヤーが同時に500点に達した場合、デクレアラーが優先されます。
戦略・コツ
ビッドの判断
手札にバウアー(ジョーカー、右バウアー、左バウアー)が含まれていれば、それだけで2〜3トリックは確実です。これに加えてサイドスートのAやボイドがあれば、積極的にビッドできます。
キティへの期待
キティの3枚で手札が改善される可能性があります。ただし過度な期待は禁物です。キティに頼らずとも達成できる程度のビッドが安全です。
ノートランプの強さ
ノートランプは同じトリック数なら最も高得点です。各スートにAがある場合や、1つのスートが長い場合はノートランプビッドが有効です。ただし、バウアーのボーナスが使えないため、手札の総合力が高い場合に限ります。
ディフェンスの協力
ディフェンダー2人は協力してデクレアラーのビッドを阻止します。デクレアラーのボイドスートを攻め、切り札を消耗させる戦略が基本です。
バリエーション
4人ファイブハンドレッド(ペア戦)
4人で2対2のチーム戦にする最も一般的なバリエーションです。43枚(通常の33枚に各スートの5、6と、赤の4を追加)を使い、各10枚・キティ3枚で行います。
2人ファイブハンドレッド
2人で遊ぶ場合、各10枚を配りキティ3枚を置きます。残った10枚は使用しません。基本ルールは同じですが、ディフェンダーが1人のためデクレアラー有利になります。
オーストラリアン・ルール
オーストラリアの公式ルールでは、ジョーカーに加えて特別な13枚目のカード(バードと呼ばれる)を含む特殊デッキを使用する場合があります。また、ミゼールの得点が500点(通常の250点の倍)に設定されることもあります。
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