ボヘミアン・シュナイダー
概要
ボヘミアン・シュナイダー(Bohemian Schneider)はチェコ(旧ボヘミア地方)発祥の2人専用トリックテイキングゲームです。名前の「シュナイダー」はドイツ語で「仕立屋」を意味し、カードゲーム用語では大差での敗北を指します。
32枚の少ないカードで遊ぶため展開が速く、ジャーマンホイストに似た前半・後半の二段構成が特徴です。切り札の選択に独自のメカニズムがあり、短時間で濃密な駆け引きが楽しめます。
1ゲーム約15分で遊べます。
基本ルール
使用カード
通常のトランプ52枚から、各スートの7, 8, 9, 10, J, Q, K, Aの8枚ずつ、合計32枚を使用します。2〜6のカードは使いません。
カードの強さ
A(最強)> K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7(最弱)の順です。
カードの得点
- A: 11点
- 10: 10点
- K: 4点
- Q: 3点
- J: 2点
- 9, 8, 7: 0点
全32枚の合計得点は120点です。各スートに30点ずつ含まれます。
勝利条件
カードの得点を合計し、61点以上取ったプレイヤーが勝利です。90点以上取ると「シュナイダー」(大勝)となり、2勝分としてカウントされます。
ゲームの流れ
準備
- 32枚をシャッフルする
- 各プレイヤーに3枚ずつ2回配り、手札を6枚にする
- 次の1枚を表向きにして切り札スートを決定する
- その表向きカードを山札の一番下に差し込む
- 残りの20枚を裏向きの山札とする
切り札の交換
手札に切り札スートの7を持っているプレイヤーは、山札の一番下にある表向きの切り札カードと交換できます。この交換はゲーム中いつでも(自分がトリックを取った直後に)行えます。切り札の7が弱いカードであるため、より強い切り札を手に入れるチャンスとなります。
前半(山札があるフェーズ)
- ノンディーラーが最初のリードを行う
- フォロー義務なし: どのカードでも自由に出せる
- 2枚の強い方がトリックを取る
- 同じスートなら数字の大きい方が勝ち
- 異なるスートで切り札が含まれていれば切り札が勝ち
- 異なるスートで切り札がなければリードしたカードが勝ち
- トリックを取ったプレイヤーが山札から1枚引き、負けた方が1枚引く
- 手札を常に6枚に保つ
- 山札がなくなるまで繰り返す
後半(山札がないフェーズ)
山札がなくなったらルールが変わります。
- マストフォロー: リードスートと同じスートがあれば必ず出す
- マストウィン: フォローする場合、勝てるカードがあれば出さなければならない
- フォローできない場合、切り札があれば切り札を出さなければならない
- 切り札もない場合は任意のカードを出す
- 手札がなくなるまで続ける
得点計算
すべてのトリックが終わったら、各プレイヤーが取ったカードの得点を合計します。最後のトリックを取ったプレイヤーには追加の10点が与えられます(ラストトリックボーナス)。これにより合計得点は130点となります。
66点以上で勝利、91点以上でシュナイダー(2勝分)です。
戦略・コツ
前半で手札を整える
前半はフォロー義務がないため、手札の整理に最適です。弱いカードで負けトリックを取り、山札から新しいカードを引いて手札を強化しましょう。
切り札の7の交換タイミング
切り札の7を持っている場合、交換のタイミングが重要です。表向きの切り札が強い場合は早めに交換しましょう。ただし、相手にその情報を悟られるリスクもあります。
Aと10の確保
A(11点)と10(10点)は最も得点が高いカードです。これらを含むトリックを確実に取ることが勝利への近道です。特に切り札のAと10は絶対的な強さを持ちます。
前半での様子見
前半はフォロー義務がないため、弱いカードで相手の出方を探れます。相手が切り札を何枚持っているか、どのスートが強いかを前半のうちに把握しましょう。
後半のマストウィンに備える
後半はマストウィンのため、高いカードを持っていると強制的に出さなければなりません。これを利用して、相手のAや10をマストウィンで引き出す戦術があります。
ラストトリックボーナスを意識する
最後のトリックの10点ボーナスは大きいです。終盤に切り札を残しておくことで、ラストトリックを確実に取れる確率が上がります。
得点カードの記憶
32枚と少ないため、出たカードを記憶することが比較的容易です。特に各スートのAと10がどこに行ったかを追跡しましょう。
バリエーション
シュナップセン(66)
ボヘミアン・シュナイダーと類似のオーストリアのゲームです。20枚デッキ(各スート5枚)で遊び、先に66点に達したプレイヤーが勝ちます。婚姻(KとQのペア宣言で得点)のルールが追加されています。
マリアージュ追加ルール
ボヘミアン・シュナイダーにもマリアージュ(同じスートのKとQを手札に持っていることを宣言する)ルールを追加できます。切り札のマリアージュで40点、それ以外のスートで20点を即座に獲得します。宣言はトリックを取った直後にのみ可能です。
3ゲーム制
3ゲーム先取制で遊ぶバリエーションです。シュナイダー(91点以上)は2勝分、シュヴァルツ(全トリック獲得)は3勝分としてカウントします。逆転の可能性が残るため、最後まで緊張感が続きます。
ボヘミアン・シュナイダーは中央ヨーロッパで長く愛されてきたゲームです。32枚という少ないカードの中に、前半の自由な駆け引きと後半の厳密なルールが凝縮されており、短時間で密度の高いゲーム体験が得られます。
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