ブラックレディー
概要
ブラックレディー(Black Lady)はハーツの原型とされるトリックテイキング系のトランプゲームです。「ブラックレディー」とはスペードのQのことを指し、このカードを取ってしまったプレイヤーに大きな罰点が課されるのが最大の特徴です。
現代のハーツと非常によく似ていますが、カードパス(交換)がないこと、ハートの罰点ルールが異なること、プレイ人数が柔軟であることなど、いくつかの重要な違いがあります。3人から7人まで幅広い人数で遊べるため、パーティーゲームとしても適しています。
ジョーカーを除く52枚を使用しますが、人数によって一部のカードを除外して均等に配れるよう調整します。
基本ルール
使用カード・配り方
プレイ人数によって使用カードを調整します。
- 3人:クラブの2を除いた51枚(各17枚)
- 4人:52枚そのまま(各13枚)
- 5人:クラブの2とダイヤの2を除いた50枚(各10枚)
- 6人:52枚から2を全て除いた48枚(各8枚)
- 7人:クラブの2、ダイヤの2、ダイヤの3を除いた49枚(各7枚)
全てのカードをプレイヤーに均等に配りきります。
カードの強さ
各スート内の強さは通常の順序です。
A(最強)、K、Q、J、10、9、8、7、6、5、4、3、2(最弱)
罰点カード
以下のカードに罰点が設定されています。
- スペードのQ(ブラックレディー):13点
- ハートの各カード:1点ずつ(ハートは計13枚で13点)
1ラウンドの罰点合計は26点です。
切り札
切り札はありません。マストフォロー(リードされたスートと同じスートを持っている場合は必ず出す)が適用されます。
ゲームの流れ
配札
- ディーラーを決める
- 人数に応じたカードを均等に配りきる
- ハーツと異なり、カードの交換(パス)は行わない
トリックプレイ
- クラブの2を持っているプレイヤーが最初のリードを行う(クラブの2が除外されている場合はクラブの3)
- 時計回りに1枚ずつカードを出す
- リードされたスートと同じスートのカードを持っていれば必ず出す(マストフォロー)
- フォローできない場合は任意のカードを出せる(罰点カードを捨てるチャンス)
- トリックの勝者はリードスートで最も強いカードを出したプレイヤー
- 切り札がないため、リードスート以外のカードではトリックを取れない
- トリック勝者が次のリードを行う
- 全てのカードを出し終わるまで続ける
ハートブレイク
ハーツと同様に、ハートがまだ1枚も場に出ていない間は、ハートでリードすることができません(ハートブレイクルール)。誰かがフォローできずにハートを捨てた時点で「ハートブレイク」が発生し、以降はハートでのリードが解禁されます。
ただし、手札がハートしかない場合は例外的にハートでリードできます。
得点計算
各ラウンド終了後、各プレイヤーが取ったトリックに含まれる罰点カードを数えます。
- ハート1枚につき1点
- スペードのQ:13点
各プレイヤーの罰点を累計していき、誰かが事前に決めた上限(一般的には100点)に到達した時点でゲーム終了です。累計罰点が最も少ないプレイヤーが勝者です。
戦略・コツ
スペードのQ対策
スペードのQは13点という破壊的な罰点を持つため、このカードの処理がゲームの核心です。
スペードのQを持っている場合、できるだけ早くこのカードを安全に処理する必要があります。スペードがリードされた時にQより高いカード(KやA)を誰かが出してくれれば、Qを安全に出すことができます。
スペードのAやKを持っている場合は、スペードのQを引き受けてしまうリスクがあります。スペードの低いカードでリードし、相手のQを引き出す戦術が有効です。
ボイド作り
特定のスートを早めに使い切り、そのスートがリードされた時にハートやスペードのQを捨てられるようにするのが基本戦略です。
手札の中で枚数が少ないスートを優先的に出し切りましょう。2〜3枚しかないスートは序盤のうちにボイドにできる可能性が高いです。
リードの選択
低いカードでリードするのが安全です。高いカードでリードすると、相手がフォローできない場合に罰点カードを押し付けられるリスクがあります。
特に中盤以降、他のプレイヤーにボイドのスートがある可能性が高まるため、リードするスートの選択は慎重に行いましょう。
カードパスがない分の対策
ハーツと異なりカードパスがないため、配られた手札でそのまま戦わなければなりません。スペードのQやハートの高いカード(A、K)が来た場合でも、プレイングの工夫で対処する必要があります。
スペードのQを持った場合は、他のスペードが手札に何枚あるかを確認し、スペードのリードで自然にQを出せるタイミングを計りましょう。
他プレイヤーの手札読み
カードパスによる情報がない分、プレイ中の観察がより重要になります。誰がどのスートをフォローできなかったかを記憶し、各プレイヤーの手札構成を推測しましょう。
特にスペードのQの所在は常に意識します。スペードが何枚出たか、誰がスペードをフォローできなかったかを追跡することで、ブラックレディーの位置を絞り込めます。
バリエーション
スペードのQ以外の罰点追加
スペードのQに加え、以下のカードに罰点を設定するバリエーションがあります。
- クラブのQ:10点(ブラックマリア方式)
- スペードのK:10点
- スペードのA:7点
これらを追加すると1ラウンドの合計罰点が大幅に増え、よりスリリングなゲームになります。
シュートザムーン
全てのハート(13枚)とスペードのQを1人で全て獲得した場合、シュートザムーンが成立します。この場合、そのプレイヤーの罰点は0となり、代わりに他の全プレイヤーに26点が加算されます。
現代のハーツでは標準ルールですが、ブラックレディーの原型ではオプションルールとして扱われます。
スペードのJ(ボーナスカード)
スペードのJを取ったプレイヤーは10点の罰点が減算されるボーナスルールです。スペードのQとJが同じトリックに含まれる場合、そのトリックを取ると差し引きで罰点が軽減されます。
このルールを採用すると、スペードのJを巡る駆け引きが加わり、戦略に幅が出ます。
ポライト(Polite)ルール
最初のトリックでは罰点カード(ハートおよびスペードのQ)を出すことが禁止されるルールです。序盤のいきなりの罰点押し付けを防ぎ、より戦略的な展開を促します。
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