シュミア
概要
シュミア(Schmear / Schmier)はアメリカ中西部、特にドイツ系移民コミュニティで広く遊ばれてきたトリックテイキングゲームです。「シュミア」はドイツ語の「塗り付ける(schmieren)」に由来し、パートナーが取りそうなトリックに高得点カードを「塗り付ける」テクニックがゲーム名の元になっています。
4人で2対2のペア戦を行うのが標準で、切り札を競りで決定し、特定のポイントカードの獲得を争います。ピッチ(Pitch)やスマー(Smear)とも呼ばれ、地域によって細かいルールが異なります。
基本ルール
使用カード
ジョーカーを含まない52枚のトランプを使用します。一部のバリエーションではジョーカーを加えます。
カードの強さ
切り札スート内:A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2
非切り札スート内:A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2
切り札スートのカードは常に非切り札より強いです。
獲得対象のポイント
シュミアでは獲得トリック数ではなく、以下の4つのポイントカテゴリを争います。
- ハイ(High):切り札の中で最も高いカードを持っていたチームに1点
- ロー(Low):切り札の中で最も低いカードを獲得したチームに1点
- ジャック(Jack):切り札のJを含むトリックを取ったチームに1点
- ゲーム(Game):トリックで獲得したカードのゲームポイント合計が高いチームに1点
ゲームポイントの計算:
- A:4点
- K:3点
- Q:2点
- J:1点
- 10:10点
1ラウンドで最大4点が分配されます(切り札のJが場に出なければ3点)。
プレイ人数と座席
4人で2対2のペア戦が標準です。向かい合ったプレイヤー同士がペアです。2人、3人、6人でも遊べます。
ゲームの流れ
1. カードの配布
ディーラーが各プレイヤーに6枚ずつ配ります(3枚ずつ2回に分けるのが伝統)。残りのカードは使用しません。
2. ビッド
ディーラーの左隣から時計回りにビッドします。ビッドは自チームで獲得できると思うポイント数(1~4)を宣言するか、パスします。
- 最低ビッド:2点
- 前のプレイヤーより高い数字を宣言するか、パスする
- ディーラーは他の全員がパスした場合、強制的に2でビッドを引き受ける(スタック)
最も高いビッドをしたプレイヤーがビッド勝者です。
3. 切り札の決定とリード
ビッド勝者が最初の1枚をリードします。そのカードのスートが切り札となります。つまり、最初に出したカードで切り札が自動的に決まります。
4. プレイ
最初のトリックでは、リードされた切り札スートを持っていなくても任意のカードを出せます(最初のトリックのみフォロー義務なし。ただしバリエーションあり)。
2トリック目以降の基本ルール:
- リードされたスートを持っていれば必ず出す(マストフォロー)
- フォローできなければ切り札を出すか、任意のカードを捨てる
- 切り札がリードされた場合、切り札を持っていれば切り札を出す
各トリックで最も強いカードを出したプレイヤーが勝ち、そのトリックのカードを獲得します。
5. 得点計算
6トリック終了後、4つのポイントカテゴリを判定します。
ハイ:場に出た切り札の中で最も数字が大きいカードを出したチームに1点。(元々手札に持っていたプレイヤーのチーム)
ロー:場に出た切り札の中で最も数字が小さいカードを含むトリックを獲得したチームに1点。
ジャック:切り札のJが場に出た場合、そのJを含むトリックを取ったチームに1点。切り札のJが誰の手札にもなかった場合、このポイントはなし。
ゲーム:各チームが獲得したトリックに含まれる全カードのゲームポイント(A=4、K=3、Q=2、J=1、10=10)を合計し、多い方に1点。同点の場合はビッドしたチームが得る。
6. ビッドの成否
ビッドチーム:
- 獲得ポイントがビッド数以上:獲得した実際のポイントをスコアに加算
- 獲得ポイントがビッド数未満:ビッド数分がスコアから減算(セット)
ディフェンスチーム:
- 常に獲得した実際のポイントをスコアに加算
7. ゲーム終了
先に11点(または21点)に到達したチームが勝利です。両チームが同時に到達した場合、ビッドチームが優先されます。
戦略・コツ
ビッドの判断
手札6枚の中で、切り札候補のスートにAやJ、低いカード(ハイ・ロー・ジャック用)がどれだけあるかでビッドを決めます。AとJと低いカードが揃っていれば3点ビッドが現実的です。
シュミア(塗り付け)テクニック
ゲーム名の由来であるシュミアは、パートナーが勝ちそうなトリックに高ゲームポイントのカード(特に10やA)を「塗り付ける」技術です。例えば、パートナーが強い切り札でリードした場合、自分の手札から10を出してゲームポイントを集中させます。
切り札のJの扱い
Jは1点の価値があるため、切り札のJを確保するか、相手チームのJを奪うかが重要です。Jをトリックで取るために、Jより強い切り札(Q以上)を温存する戦略が有効です。
ローの確保
切り札の低いカード(2や3)は「ロー」のポイントに関わります。切り札の低いカードを含むトリックを自チームで確保するか、逆に相手チームの低い切り札を自分たちのトリックで捕獲するかの駆け引きがあります。
ゲームポイントの計算
ゲームポイントを意識したプレイが重要です。10は10点と飛び抜けて高いため、10を含むトリックの争いは熾烈になります。自チームが10を安全に回収できるタイミングを計りましょう。
ディフェンスの考え方
ディフェンス側はビッドチームをセットに追い込むことが目標です。ビッドチームが3点を宣言している場合、ハイ・ロー・ジャック・ゲームのうち2つ以上を奪えば相手をセットにできます。
バリエーション
10ポイントシュミア
ポイントカテゴリを拡張し、切り札の10を取ったチームにも1点を加えるバリエーションです。1ラウンド最大5点が分配されます。また切り札の3にもポイントがつく場合があり、最大7点になるルールもあります。
ジョーカー入り
ジョーカーを加え、切り札スートに属する特別なカードとして扱います。通常は切り札のJとQの間の強さに設定されます。ジョーカーを含むトリックを取ったチームに追加1点が与えられます。
個人戦
2人または3人で個人戦として遊ぶバリエーションです。ペアの協力がないため、各自の判断力が直接結果に反映されます。3人の場合は各プレイヤーに9枚ずつ配ります。
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