ブリスコラ・キアマタ
概要
ブリスコラ・キアマタ(Briscola Chiamata)は、イタリアの伝統的なカードゲーム「ブリスコラ」の5人用拡張版です。「キアマタ(chiamata)」は「呼び出し」を意味し、競りで切り札と秘密のパートナーを決定するシステムが名前の由来です。
5人で遊ぶゲームで、競りに勝ったプレイヤーが特定のカードを指定して秘密のパートナーを呼び出します。呼び出されたプレイヤーは正体を隠しながらプレイするため、ナポレオンに似た「正体隠匿」の要素が生まれます。
イタリアではイタリア式の40枚デッキを使いますが、通常のトランプでも代用可能です。
基本ルール
使用カード
40枚のカードを使用します。通常のトランプから8、9、10を除いた40枚(各スートA、2、3、4、5、6、7、J、Q、K)です。
イタリア式デッキを使用する場合は、デナリ(貨幣)、コッペ(杯)、スパーデ(剣)、バストーニ(棍棒)の4スート各10枚です。
カードの強さと点数
イタリア式の強さ順を採用します(左が最強)。
A(11点)> 3(10点)> K(4点)> Q(3点)> J(2点)> 7(0点)> 6(0点)> 5(0点)> 4(0点)> 2(0点)
3がKやQより強いのがブリスコラの大きな特徴です。
全カードの合計は120点です(各スート30点 × 4スート)。
プレイ人数
5人専用です。
ゲームの目標
秘密の2人チーム(呼び出し者+パートナー)が合計61点以上を獲得すること。残り3人のチームはそれを阻止します。
ゲームの流れ
1. カードの配布
40枚を5人に8枚ずつすべて配りきります。山札は残りません。
2. 競り(キアマタ)
ディーラーの右隣から反時計回りに競りを行います(イタリア式は反時計回りが伝統)。
競りでは、自分が呼び出すカードの「点数」を宣言します。最初の宣言者は通常「A(11点)」から始めます。
- 前の宣言より低い点数を宣言するか、パスする
- パスしたプレイヤーは復帰できない
- 最後に残った1人が競り勝者となる
点数の順序(高い順):A(11点)→ 3(10点)→ K(4点)→ Q(3点)→ J(2点)→ 7、6、5、4、2(0点)
例えば、最初のプレイヤーが「11(A)」と宣言し、次が「10(3)」、次が「4(K)」と下げていきます。競りが進むほど弱いカードを呼び出すことになるため、パートナーの戦力が低下するリスクと引き換えに競りに勝てます。
3. 切り札の宣言
競り勝者はスートを宣言します。そのスートが切り札となり、宣言した点数に対応するそのスートのカード(例:「ハートの3」)を持つプレイヤーが秘密のパートナーになります。
例:競りで「10」(3に相当)を宣言して勝ち、スートを「ハート」と宣言した場合 → 切り札はハート、ハートの3を持つ人がパートナー。
パートナーは名乗り出ません。指定されたカードが場に出るまで、誰がパートナーなのかは不明です。
自分自身が指定したカードを持っている場合もあります。その場合は実質1人で4人と戦う形になります。
4. プレイ
競り勝者の右隣からリードします(反時計回り)。
ブリスコラの大きな特徴として、フォロー義務がありません。リードされたスートに関係なく、手札から好きなカードを1枚出せます。
トリックの勝敗判定:
- 切り札が出ている場合、最も強い切り札が勝つ
- 切り札が出ていない場合、リードスートの中で最も強いカードが勝つ
- リードスート以外で切り札でもないカードは、どれだけ強くてもトリックに勝てない
5人が1枚ずつ出して1トリック。合計8トリックを行います。
5. 得点計算
8トリック終了後、チーム分けを確認します(パートナーの正体が明かされていない場合はここで公開)。
競り勝者チーム(2人)の獲得カードの合計点数を計算します。
- 61点以上:競り勝者チームの勝利
- 60点ちょうど:引き分け
- 59点以下:ディフェンスチーム(3人)の勝利
6. スコアリング
勝敗に応じたポイントを記録します。
競り勝者チーム勝利:
- 競り勝者:+2点
- パートナー:+1点
- ディフェンス各自:-1点
ディフェンスチーム勝利:
- 競り勝者:-2点
- パートナー:-1点
- ディフェンス各自:+1点
特別な場合:
- カッポット(競り勝者チームが全120点獲得):ポイント2倍
- 1人プレイ(パートナーなし)で勝利:競り勝者に+4点
戦略・コツ
競りの判断
競りで勝つには低い点数のカードまで下げる必要がありますが、低いカードを呼ぶほどパートナーの戦力が弱くなります。自分の手札に切り札候補のAや3がある場合は、それを切り札にして競りに挑むと、パートナーに依存せずに戦えます。
手札に切り札候補のカードが多い(5枚以上)場合、積極的に競りに参加しましょう。逆に切り札候補が3枚以下なら、無理に競りに参加せずディフェンスに回る方が安全です。
パートナーの正体推理
ディフェンス側にとって、誰がパートナーなのかを見抜くことが最優先課題です。以下の手がかりに注目します。
- 競り勝者に有利なプレイをしている人はパートナーの疑いがある
- 指定されたカードのスートを出す順番やタイミング
- 切り札を温存しているプレイヤーの動向
フォローなしのルールを活かす
フォロー義務がないため、任意のタイミングで切り札を投入できます。高得点カード(Aや3)が含まれるトリックに切り札をぶつけて奪うのが基本です。
逆に、重要でないトリック(0点カードばかり)には弱いカードを捨てて、切り札を温存しましょう。
Aと3の価値
Aは11点、3は10点で、この2枚だけで21点分あります。各スートのAと3を制する者がゲームを制すると言っても過言ではありません。相手のAに切り札をぶつけるか、自分のAを安全なタイミングで出すかが勝敗を分けます。
パートナーとしてのプレイ
パートナーに選ばれたプレイヤーは、あからさまに競り勝者を助けると正体がバレてディフェンスに集中攻撃されます。序盤は自然なプレイを心がけ、正体がバレる前に多くのポイントを確保しておくのが理想です。
指定されたカードをなるべく遅く出すことで、正体を隠す時間を稼げます。
バリエーション
2人ブリスコラからの移行
ブリスコラは本来2人用のシンプルなゲームです。2人版のルールに慣れてからキアマタ(5人版)に挑戦すると、基本的なカードの強さやプレイ感覚を理解した上で楽しめます。
ブリスコラ・イン・チンクエ(5人ブリスコラ簡易版)
競りを省略し、ディーラーが切り札と呼び出しカードを自動的に決定する簡易版です。手軽に5人ブリスコラを楽しみたい場合に適しています。
4人ブリスコラ・キアマタ
4人で遊ぶバリエーションです。32枚(各スート8枚)を使い、各プレイヤーに8枚ずつ配ります。競り勝者が1人のパートナーを呼び出し、2対2で戦います。5人版と同じ感覚でプレイできます。
ストリクトスコアリング
獲得ポイントに応じて段階的にスコアをつけるバリエーションです。61~70点で基本点、71~80点で2倍、81~90点で3倍、91点以上で4倍とスコアリングが細分化され、圧勝するほど高い報酬を得られます。
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