シュナプセン
概要
シュナプセン(Schnapsen)はオーストリアで最も人気のある2人用カードゲームです。ドイツの「66(ゼクスウントゼヒツィヒ)」と近い関係にありますが、使用するカードが20枚と少なく、よりタイトで緊張感のあるゲームプレイが楽しめます。
20枚の少ないカードで66点を先に宣言したプレイヤーが勝つシステムで、カードの記憶力と正確な点数計算が求められます。婚姻(マリアージュ)の宣言が得点の鍵を握ります。
基本ルール
使用カード
各スートからJ、Q、K、10、Aの5枚、計20枚を使用します。7〜9は使いません。
カードの強さと点数
強さの順(強い順):A、10、K、Q、J
| カード | 点数 |
|---|---|
| A | 11点 |
| 10 | 10点 |
| K | 4点 |
| Q | 3点 |
| J | 2点 |
全20枚の合計は120点です。
配り方
各プレイヤーに5枚ずつ配ります(3枚+2枚、または2枚+3枚)。次の1枚を表向きにして切り札スートを示し、残りの山札をその上に横向きに重ねます。表向きの切り札カードは山札の一番下です。
目標
先に66点以上を獲得したことを正しく宣言したプレイヤーがそのディールに勝利します。
ゲームの流れ
フェーズ1:山札がある間
ノンディーラーが最初のリードを行います。
リードとフォロー
山札がある間は、マストフォローの義務がありません。相手のリードに対して任意のカードを出せます。切り札を出す義務もありません。
トリック獲得
- 同じスートなら高い方が勝つ
- 切り札は非切り札に勝つ
- 異なる非切り札スートの場合、リードしたカードが勝つ
トリック勝者は山札から1枚引き、負けた方も1枚引きます(勝者が先に引く)。手札を常に5枚に保ちます。
フェーズ2:山札がなくなった後
山札が尽きると、ルールが変わります。
- マストフォローが適用される(リードスートと同じスートを出す義務)
- リードスートがない場合は切り札を出す義務がある
- 切り札もない場合のみ、任意のカードを出せる
- 可能であれば、場のカードに勝つカードを出す義務がある
婚姻(マリアージュ)の宣言
同じスートのKとQのペアを持っている場合、リード時にそのペアを見せて宣言できます(宣言後、どちらか1枚をリードカードとして出す)。
- 切り札スートの婚姻:40点
- 非切り札スートの婚姻:20点
婚姻はリード権がある場合にのみ宣言できます。
切り札ジャックの交換
切り札のJを持っているプレイヤーは、山札の一番下にある表向きの切り札カードと交換できます。この交換はリード前に行います(山札が2枚以上残っている場合のみ)。
クローズ(閉じる)
自分のリード番で、山札を閉じる(クローズする)ことを宣言できます。山札の上に裏向きのカードを被せて示します。
クローズすると、以降は山札からの補充がなくなり、フェーズ2のルール(マストフォロー、勝つ義務)が即座に適用されます。残りの手札5枚で勝負します。
クローズしたプレイヤーは66点に到達しなければ、相手の得点状況に応じたペナルティを受けます。
66点の宣言
プレイ中に66点以上に達したと思ったら「66」と宣言します。宣言が正しければそのディールの勝者となります。宣言が誤り(実際は66点未満)だった場合は相手の勝ちです。
スコア計算
ディール勝者のゲームポイント
ディール勝者が獲得するゲームポイントは、敗者の得点状況によって変わります。
- 敗者が33点以上:1ゲームポイント
- 敗者が1〜32点:2ゲームポイント(シュナイダー)
- 敗者が0点(1トリックも取っていない):3ゲームポイント(シュヴァルツ)
クローズ時の特別ルール
クローズを宣言して66点に到達できなかった場合、相手が獲得するゲームポイントは以下の通りです。
- クローズ宣言者の得点が33点以上だった場合でも、相手は最低2ゲームポイント
- クローズ宣言者が0点なら、相手は3ゲームポイント
最終勝利
先に7ゲームポイントに到達したプレイヤーが最終勝者です(バンパル)。
戦略・コツ
カードの記憶
20枚という少ないカード枚数のため、出たカードをすべて記憶することが理想です。特に切り札のA、10がどこにあるかは常に把握しましょう。
婚姻の活用
婚姻は20点または40点と非常に大きな得点源です。切り札の婚姻(40点)があれば、それだけで66点の大部分を稼げます。KとQを持っている場合は、リード権を維持して宣言のタイミングを逃さないようにしましょう。
クローズの判断
66点に到達できる見込みが高いときにクローズを宣言しましょう。手札に切り札が多く、確実にトリックが取れる状態が理想です。
クローズ後はマストフォローが適用されるため、相手の手札構成を推測してからクローズすることが重要です。
フェーズ1の戦い方
フェーズ1ではマストフォローがないため、低い切り札で高得点のトリックを奪うことができます。相手がAや10を出してきた場面で切り札を被せる戦略が有効です。
ただし切り札を使いすぎると、フェーズ2で防御が手薄になります。バランスを考えましょう。
66点の早期宣言
66点に達したら即座に宣言しましょう。宣言を忘れてプレイを続けると、そのディールの終了時に相手の得点で判定されてしまいます。常に自分の得点を正確に把握することが重要です。
バリエーション
66(ゼクスウントゼヒツィヒ)
ドイツ版で、24枚デッキ(9〜A)を使用します。基本ルールはシュナプセンとほぼ同じですが、カードが4枚多い分、やや緩やかなゲーム展開になります。3人用・4人用のバリエーションもあります。
バウエルンシュナプセン
オーストリアの農村部で遊ばれるバリエーションで、4人で2対2のチーム戦を行います。パートナーとの連携が加わり、より複雑な戦略が必要です。
シャープシュナプセン
クローズのルールを廃止し、常にマストフォローを適用するシンプルなバリエーションです。初心者向けの入門ルールとして利用されます。
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